第12回 植物の話(2010年10月 No.12より)

【動物だけではない!!植物にも存在している細菌類。
日本人に愛され続けている稲も、パントエア菌によって守られています!】

 

皆さんこんにちは。ひげ博士じゃ。
わしらの体の中にはヒトの細胞の数より多い細菌が住んでいることはこの前話したが、植物の体の中にも細菌は住んでいるのじゃ。植物には腸は無いがのう。小学校で習ったように、豆科の植物の根に窒素固定細菌が住み着いて根粒を作るが、実は多くの植物にも細菌は住んでおる。それも、葉や茎の中、つまり植物(phyte)の中(endo)で増えるので、エンドファイト(endophyte)と呼ばれておる。その菌達が窒素固定作用で植物の成長を促進させるだけでなく、植物の病気を予防したり、ストレス抵抗性を与えるのじゃ。驚いたかな?
ひげ博士何々、そこの君、おお、そう、その通りじゃ。エンドファイトは腸内細菌の中でよい細菌、いわゆる善玉菌として働いておる。ところがじゃ、植物にとって善玉菌が動物にとってそのまま善玉菌であれば良いのじゃが、イネ科には麦角(バッカクと読む)菌科のカビによる牛などの家畜に中毒を起こしたりするのがおるので要注意。
もう一つ大事なことを教えよう。皆さんがよく知っているパントエア菌もエンドファイトとして、イネやブドウ、サトウキビ、マメなどの植物の中に存在して植物の成長を促進させ、病気から守っておるのじゃ。パントエア菌は麦角菌とは異なっているのはご存じの通り。植物も、我々も、パントエア菌の御利益をしっかり利用して健康になっておるのじゃのう。

出典:特定非営利活動法人環瀬戸内自然免疫ネットワーク発行ニュースレター

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