第17回 ノーベル賞の話(2011年12月 No.17より)

【ノーベル賞の対象になったLPSの研究。
スタイマン博士の「自然免疫の活性化に関わる発見」その内容とは?!】

 

皆さん。ひげ博士じゃ。今年は記念する年ぞ。ついに、自然免疫の研究がノーベル医学生理学賞を受賞したのじゃ。ブルース・ボイトラー博士とジュールズ・ホフマン博士のお二人が「自然免疫の活性化に関わる発見」、ラルフ・スタインマン博士が「獲得免疫における樹状細胞の役割の解明」での受賞じゃ。スタインマン博士は受賞発表のわずか4日前にお亡くなりになっていたことがわかり劇的なニュースになっていたのう。さて、皆さんは今年のノーベル賞はよく注目しなくてはいかんぞ。なぜなら、糖脂質と密接な関わりがあるからのう。
自然免疫の研究がここ20年で劇的に進歩を遂げた原動力となったのは、なかでも、トル様受容体(TLR)の発見に始まるといってもよいじゃろう。ホフマン博士はトルの遺伝子欠損がショウジョウバエをカビだらけにしてしまうことから、自然免疫に関係することを示し、ボイトラー博士はマウスを用いて、それまで不明じゃったTLRが実は糖脂質(LPS)の受容体であることを明らかにしたのじゃ。その論文が『Defective LPS signaling in C3H/HeJ and C57BL/10ScCr mice: mutations in Tlr4 gene.” Science. 1998 282: :2085-8.』だ。そうじゃよ、皆さんのよく知っている糖脂質(LPS)が自然免疫に認識される仕組みを明らかにした研究が、なんとノーベル賞の対象になったのじゃ。それ程、重要な発見と考えられておるんじゃよ。

出典:特定非営利活動法人環瀬戸内自然免疫ネットワーク発行ニュースレター

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