薄毛・抜け毛の疑問
Q. 薄毛に亜鉛が良いと聞きました。本当ですか?
A. 私達の髪や頭皮が健康的で抜け毛のない状態でいられるのは、ミネラル成分の一種である亜鉛がしっかり大役を果たしてくれているからです。ですが、亜鉛の担う役割がどんなものかを知らずにいる人も少なくないでしょう。
亜鉛の働きや、亜鉛がもたらす髪への影響をまとめています。
亜鉛とは?(亜鉛の説明と亜鉛を含む食べ物について)
私達の体内では、あらゆる酵素が様々な代謝に必要です。亜鉛はもともと、骨、筋肉、肝臓などの臓器に存在していて、多数の臓器や細胞の生成にかかわっているのです。ですから、生命活動には、とても大切なミネラル成分という事になるでしょう。
亜鉛とはどのような成分?
亜鉛は、体内で合成や分解されている様々な化学反応にかかわる成分です。
以下のような機能を維持させるには亜鉛は不可欠な成分と言えるでしょう。
- 亜鉛が正常に維持されている事で、味覚が整い、「苦いもの」、「しょっぱいもの」、「甘いもの」をしっかり味わうことができる
- 亜鉛は特に男性の生殖活動にも関係し、精巣に存在する。また、精子の運動も活発化させ、足りなくなれば、性欲減退などの症状が出やすくなる
- 亜鉛はウイルスに対する免疫作用の活性作用もあるため、ガンなどの命に関わる病気予防となる
- 新陳代謝を高め、DNAの複製に関係している。特に代謝が盛んな子供はとるべき成分
髪や頭皮についての亜鉛の役割とは
- 髪に含まれているタンパク質の合成を助けてくれる
- 薄毛の原因で もある男性ホルモンが過剰に分泌されるのを防ぐ
亜鉛を含む食べ物とは
亜鉛は、主に魚類や肉類に多く含まれます。様々な食品に含まれているのですが、亜鉛の体内吸収は、なかなか壁が高いという見解もあります。
- 生牡蠣
食材の中でも、最も亜鉛が多く含有されています。シーズン中は一日4〜5個食べると、理想の摂取量がとれそうです。
冬になると鍋料理などで登場する事が多いでしょう。通年摂取できる食材ではないため、毎日摂取するのも難しくなるでしょう。
- 豚肉、牛肉
どちらの肉も、部位ごとに亜鉛は豊富に存在します。ですが、動物性脂肪は頭皮の毛穴を詰まらせてしまう事もあるため、亜鉛が、豊富だからと言って過剰摂取は控えたいものです。
- 鶏肉
鶏肉は、亜鉛も含みますが、頭皮の乾燥を防いで弾力を取り戻す効果のあるコラーゲンも含みます。亜鉛とコラーゲンのダブルパワーで抜け毛を防止しましょう。肉類の中でもコスパもよく、脂肪も少なめなので、太り過ぎを気にする人にもオススメの亜鉛食材です。気をつけたい点は、ビタミンAも豊富で、たくさん食べると摂取目安を軽く越してしまうため、特に妊娠期には胎児に影響を及ぼす事もあるため注意すべきです。食べる限度を考えながら摂取しましょう。
- チーズ
固形でも、スライスしても摂取しやすいチーズは亜鉛が含まれていて味を好む人も多いのですが、ついつい食べすぎてしまえば、塩分も多いため、他の生活習慣病リスクが高まります。また、乳アレルギーがある人も控えた方が良いでしょう。
- ナッツ類
簡単につまめて、手軽に食べられるナッツ類にも亜鉛は含まれています。血流を良くするビタミンEも配合されているため、頭皮の血流もスムーズにしてくれるでしょう。ですが、頻繁に多量に食べられるものではないのでナッツ類で亜鉛を摂取しようと思うとなかなか難しいものです。
亜鉛不足は抜け毛の元?
髪は、ケラチンというタンパク質でできています。このタンパク質をケラチンに変える重要な役割を担うのが亜鉛というミネラル成分です。
亜鉛がしっかり整っている髪は1日に50本〜100本抜けても問題はありません。一方で生えてくる髪もあるため、バランスがとれているのです。
ですが、いくら髪のもとになる良質なタンパク質を豊富に摂取しても、亜鉛が不足していれば、まるっきり髪は作られませんし、抜けるだけです。これが亜鉛のもたらす薄毛の怖さなのです。
その抜け毛!亜鉛不足かも?
こんな抜け毛が生じたら、亜鉛不足かもしれません。自分の頭皮や髪が以下の項目に当てはまるならば、すぐに亜鉛摂取が必要でしょう。
◎ 髪がやせ細っている ◎ 排水溝に髪がたまる ◎ 色素が薄い毛が生えている ◎ 髪が抜けるのに新しい髪が生えてこない ◎ 頭皮にニキビができやすい ◎ フケが出やすくなった |
亜鉛が不足する理由とは
亜鉛不足は髪の毛だけでなく、その土壌となる頭皮への悪影響も懸念されます。特に頭皮にフケやニキビが出やすくなるのは、亜鉛不足により、頭皮に繁殖した菌に対して抵抗力や免疫力がかけてしまうからという事が考えられます。
私達、日本人は特に亜鉛が不足しやすいのです。その背景に食事の歴史があります。
日本人は西洋人や欧米人よりも亜鉛豊富な肉やチーズの摂取量が少なく、和食のような薄味を好んで食べてきました。そんな事もあり、元々亜鉛の摂取量が海外の人より比較的少なく今に至っています。
ですが、時代は進み、女性も社会進出の盛んな日本になり、ストレスや飲酒、喫煙、寝不足をするようになりました。さらに、亜鉛吸収率を妨げる炭水化物やカルシウムの多い偏った食生活などで亜鉛が上手に摂取できなくなっているのです。
亜鉛は、相性の合う成分と同時に取り入れないと吸収率が低下します。それくらい、ちょっぴり面倒な成分とも言えるのです。亜鉛を上手く取り入れる事が、抜け毛を予防し、いくつになっても若々しく、スタイリングのバッチリ決まるヘアスタイルをキープできるのです。
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